日本発の国際カード会社で、
先進的なプロダクト開発に挑戦する

国内唯一の国際カードブランドであるJCBでは、顧客のニーズをスピーディーに反映させるため、これまで外注していたプロダクト開発の内製化に着手。デジタルソリューション開発部DXテックグループは、アジャイル開発を積極的に取り組み、成果を上げています。

chapter 1

変化に強いプロダクト開発が課題

山口 正展

システム本部
デジタルソリューション開発部
DXテックグループ 次長

デジタルソリューション開発部DXテックグループが担っている役割を教えてください。

1961年の創立以来、日本にクレジットカードという新しい決済方法を導入し、世界中でJCBカードを使えるようにするためのインフラを整えています。デジタルソリューション開発部は、お客様のWeb入会や各種手続きなど、デジタルによるお客様との接点構築を担っている部署です。
DXテックグループは、アジャイル開発でプロダクト開発をしており、現在プロダクトを導く役割のプロダクトオーナーや、アプリケーションエンジニア、デザイナーなど約40名の社員が所属し、サービス開発をすすめています。

金融機関でもアジャイル開発が進みつつありますが、
JCBのアジャイル導入には、どのような背景があったのでしょうか。

昨今のキャッシュレス化の拡大に伴い、いかに早くお客様の声をプロダクト開発に反映していくかが課題でした。しかし、従来のウオーターフォール開発では着想から実装まで1年半~2年かかってしまい、途中での要件変更も難しいといった問題がありました。環境変化が激しい昨今のビジネス環境を踏まえると、アジリティのある開発体制にはアジャイル開発が必要だと、2019年頃から社内でプロジェクトチームを立ち上げシステム開発の内製化を強化してきました。
システムの信頼性が求められる金融業界で、アジャイル開発が果たして成功するのか。その最初の一例となったのが、JCBブランド会員様向けに利用額に応じてキャッシュバックを実施するためのキャッシュバック額自動算出システム「Brand Cash Back」です。まずは成功例を1つ作ろうと、2022年から進められました。

「Brand Cash Back」は、どのような開発体制で進めていったのでしょうか。

加盟店様とのタイアップキャンペーンの着想から実施までを柔軟・スピーディーに実行できることを目指して、元々は基幹システムで行っていたサービスをクラウドに移行しました。ビジネス側と開発側にそれぞれプロダクトオーナーを立てて、ビジネス部門の企画立案をもとに、全体のキャンペーンの要点や加盟店様、会員様のニーズを議論しながら開発。私が開発側のプロダクトオーナーを担当し、BP(ビジネスパートナー)も含めた約10名のメンバーで開発を進めていきました。
その結果、チームの立ち上げから9カ月ほどでのシステムリリースを完遂しました。従来であれば1年以上は要していたと思います。「事業に貢献できるプロダクトとは何か」といったところから意識を共有して、タスクの優先度をチーム一丸となって議論しながら進めていけたのが成功の秘訣だったと感じています。
現在はJCBのシステム開発における約10%がアジャイル開発で行われており、今後も拡充していく予定です。内製化を進めた結果、実際に開発エンジニアはこの1年で10名から35名に増員。今後もさらなるサービス強化を目指して、エンジニア採用を強化しています。

加盟店数約4,100万店、
会員数1億5,000万人超のスケール感

JCBにおけるプロダクト開発の強み・独自性を教えてください。

まず、国内外の加盟店数約4,100万店、会員数は1億5,000万人超というボリューム感を持つJCBでは、ダイナミックなビジネスを展開できる環境があります。
次に、日本発のカード会社であり国内唯一の国際ブランドであることから、ブランドを広め浸透させる「Brand Holder(ブランドホルダー)」、会員を募集してカードを発行する「Issuer(イシュア)」、加盟店を開拓する「Acquirer(アクワイアラ)」、3つの業務領域で多彩な業務に携わることができます。本社が日本なので、意思決定をするレイヤーが少なく、スピード感を持って開発を進められる点もメリットです。
そして、新しい技術の導入が盛んな点です。先進的なシステムや技術情報を集め技術検証を行う専門チームがあり、例えば新しいOSSや生産価値向上につながるクラウドサービスがあれば、当社に組み込めるかを検討します。加えて、どのサービスを選ぶかといった判断は各チームで決めることができるなど、裁量がある環境も当社の魅力だと思います。

JCBが求める人材像とは、どのようなものでしょうか。

今回、私たちの部署では、プロダクトオーナー、アプリケーションエンジニア、SRE(Site Reliability Engineering)などの幅広いポジションを募集しています。
第一に挙げたいのはマインド面です。ポジションにかかわらず社内で活躍しているメンバーに共通するのは、疑問点について自分から情報収集し、それに対して仮説や課題を定義して自分なりに解決策を模索し、実行していく点です。そのマインドがとても大切です。特にプロダクトオーナーは、ビジネス部門とシステム部門のオーナー同士が共に同じプロダクトを進めていくため、相手のしたいことを洞察する力が必要です。
エンジニアでのスキル面はプロダクトによって異なりますが、「Go」「Java」「Python」「TypeScript」などの開発経験がある方は活躍していただきやすいです。金融知識やアジャイル開発の経験の有無は問いませんし、研修などもあるので安心して入社いただきたいです。今後、デザインチームの立ち上げなど、挑戦したいことがたくさんあります。サービスの価値向上に向けて、一緒に楽しみながら挑戦できる方の応募をお待ちしています。

chapter 2

金融・アジャイル開発未経験でも
不安なくスタート

高木 萌

システム本部
デジタルソリューション開発部
DXテックグループ 主任(アプリケーションエンジニア)

高木さんが転職を考えたきっかけと入社の決め手を教えてください。

大手SIerで教育機関向けのパッケージシステムの開発をしていましたが、基幹システムの改修のような案件が多く、もっと新しい技術を使った新規開発に携わりたいと思うようになったのがきっかけです。また、実際にプロダクトを使うお客様と直接関わって仕事がしたいと感じるようになったのも理由の1つでした。
そんなときにJCBのことを知りました。自社サービスであることからユーザーに近い立場で働くことができ、アジャイル開発など新しい手法が学べると思い、入社を決めました。

金融・アジャイル開発は未経験という状態から、実際の業務にはどのように慣れていったのでしょうか。

金融業界については未経験分野でしたので、入社後の全社研修で学びました。アプリケーションエンジニアとしてDXテックグループに所属後は、1週間のミニ研修で実際にアジャイル開発を回してみるといった実践的な学びの場があり、前提知識がある状態から業務に移ることができました。その後の実務でも、チャットなどオンラインで随時質問・確認ができる環境があり、未経験でもジョインしやすかったです。同僚も金融未経験者、Web系の企業やゲーム会社出身など、経歴は多岐にわたっています。
現在は、週1回開催しているチーム内の勉強会で、それぞれが習得した知識を共有するなどして知識の向上を図っています。

現在の仕事内容と、日々の業務の流れを教えてください。

アプリケーションエンジニアとして「Brand Cash Back」プロダクトを担当しています。チームでは1週間を1サイクルとするアジャイル開発を行っています。具体的には、月曜日を新たなサイクルのスタートとし、水曜日に作業の見直しや再プランニングといったミーティングを行い、金曜日にレビューするサイクルを繰り返しています。
開発業務では、どのツールをどのように使うかといった部分は開発担当者がある程度自由に決められるため、やりがいがあります。業務の進め方、取り組み方に対する自由度は高いです。

経験を積みながら、
幅広いキャリア選択が可能

「金融業界では障害時の対応が大変なのでは」と懸念する読者の方もいると思います。DXテックグループでは障害時の体制はどのようになっていますか。

プロダクトによって複数のチームがあり、障害時の体制はチームごとにあらかじめ決められています。私のチームでは当番制になっており、障害発生時の第一報を受け取る担当は週替わりの持ち回り制です。もちろん該当部分のメイン担当者が中心となって調査をしますが、プロダクトオーナーが社内調整などのサポートを連携してくれるため心強いです。またアプリケーションチームをSREチームが常にフォローしてくれる環境があり、複数人で連携しながら対応するので1人で障害対応をすることはありません。関係者が集まり一挙に対応するため、障害時の負担感は思っていたよりも少なかったです。

キャリアパスや働き方の魅力など、DXテックグループで働く魅力を教えてください。

まず、ライフイベントに対する福利厚生が手厚い点はうれしいです。私のチームは男性の1カ月以上の育休取得率が高く、子育てに対してとても理解度が高いと感じています。私はもうすぐ産休・育休を取るのですが、復帰後についても上司が今から気にかけてくれており、不安や心理的負担はかなり低いです。
将来的なキャリアについてはいろいろと考えています。例えば、以前に担当したスクラムマスターの経験を生かして、プロダクトオーナーにも挑戦してみたいです。人によっては直接手を動かすほうに専念したい人もいて、エンジニアとしてステップアップしていくことも可能です。何より個人の担当領域が広く、主体的にサービス開発に携われるため、そういった仕事がしたい方はぜひご応募いただきたいです。

chapter 3

JCBなら、上流工程も
直接手を動かすことも両立できる

村井 健祥

システム本部
デジタルソリューション開発部
DXテックグループ 主任(アプリケーションエンジニア)

村井さんの転職のきっかけや入社の決め手を教えてください。

システムエンジニアとして上流工程を経験したく新卒で大手SIerに入社しました。希望通り要件定義などに関わることができましたが、案件を進めていけばいくほど、コーディングなどの基礎がないと納得いく仕事ができないと実感し、ソフトウエアの受託開発会社へ転職しました。
知識や経験を積んだのち、改めて上流工程にも携わりたいと思い、再度の転職を考えました。ただ、直接手を動かすことも好きでしたので両立できる業務を希望していたところ、当社で実現できると知り応募しました。また、金融でありながらクラウド基盤を使ってアジャイル開発に着手している先進性にも引かれて入社しました。

DXテックグループの、アプリケーションエンジニアとしての仕事内容について教えてください。

現在は、「J/Secure(3Dセキュア)」というJCBカードの本人認証サービスの保守や追加要件に対する開発などを行っています。関連する他部署とも密な連携を取るなど、アジャイル開発をしていくうえでとてもよい環境です。加えて自社サービスなので、仕組みや改善点の提案など、主体性を持ちながら仕事ができていると思います。
組織の魅力は、設立してまだ数年の部署で新しいものへの挑戦が盛んな点です。新しいツールや技術の情報提供がチーム内外で活発に行われており、自らの成長につながります。直近だとアプリのソースコードの脆弱性を早期に検出するツールの導入など、技術的に常に新しいものを取り入れられる点は面白いと感じます。

開発側とビジネス側の連携で、
価値ある開発を増やす

村井さんのチームでは、どのようにアジャイル開発を進めていますか。

私の所属するチームでは、最終的なプロダクトの完成に対して中長期的なマイルストーンを置きながら、2週間を1サイクルとして動いています。2週間ごとに目標を定めて開発を行い、月1回のリリースを繰り返していきますが、開発メンバーで毎日朝会・夕会を行い、朝会ではその日にやることを共有。夕会では進捗状況を確認し、翌日以降のスケジュールを調整し、変更が発生すれば調整して進めていくことを繰り返しています。
JCBではプロダクトごとに開発側とビジネス側のプロダクトオーナーがおり、週に2~3回、定期的な会議を設けています。事前に各自がアジェンダを起案する流れができているので、タスクの優先順位も調整しやすく、うまく進んでいるのだと思います。

最後に、この記事を読んでいる方へのメッセージをお願いします。

一般的にキャリア入社者は即戦力を求められるため、金融経験やアジャイル開発経験がないと「業務についていけない」とか「このくらいできて当たり前」と思われるのではないかなど不安があるかと思います。しかし、実際に入社するとまったくそんなことはなく、組織としてサポートする体制が整っています。特に、これからさらにプロダクトの機能拡充をしていくフェーズであることから、技術者としても新しいスキルや経験を得られる会社だと思いますので、ぜひ気軽にご応募いただきたいです。

出典:ビズリーチ 公募ページ「株式会社ジェーシービー」(2023年5月25日公開)より転載

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