
基幹システム「JENIUS」の保守開発を通して、
クレジットカード業務全般を網羅的に開発
入社後最初に配属されたカード発行部を経て、システム本部の基幹システム開発部に鈴木が異動したのは、入社4年目のこと。IT・デジタル領域に素地のないところからのスタートだったため、当時は正直戸惑いがあったそうだ。はじめは基幹システム(JENIUS)の小規模な保守開発を2年ほど担当し、さらに協力会社への出向も経験。JENIUS の開発工程や開発実務に携わることで、徐々にシステム領域への理解が深まり、面白さと手ごたえを感じられるようになった。初めての領域における不安があるなかで、システム本部でのファーストキャリアを好スタートで切れたのは、環境のおかげだったと語る。JENIUS は開発工程におけるプロセスやノウハウが当時から整備されており、先人が積み上げてきた知識・経験を多く吸収できたからだ。また、先輩からの指導も徹底されていたため、自身の成長に大きくつながったと振り返る。
その後、大型案件を開発するグループに異動し、プロジェクトの主担当としてさまざまな成果を上げたことで、システム領域を極めたいという想いが強くなった。例えば、手作業の業務をシステムで自動化し業務削減をしたことや、提携カードをプロパーカードへと事業承継するプロジェクトにおいて、提携先のお客様と連携しながらプロジェクトを進めるといった難易度の高い業務をやり切るなどの経験を積み重ねた。
さらに、受託カードの新規立ち上げでは、取引先の金融機関と毎週のようにミーティングを重ね、短納期でのリリースを実現。このように、最初から最後まで包括的な開発に関わることができたことで、システム領域に携わり続ける自信につながったと語る。

アジャイル開発のメリットを最大限活かし、
ユーザに寄り添ったスマホアプリを開発
鈴木は、システム開発でさらに経験を積みたいと考えていたところ、入社8年目にシステム本部のデジタルソリューション開発部へ異動することに。もとより同部署で開発を担うスマホアプリに興味を持っていたため、願ってもないチャンスとなった。以来、会員向けスマホアプリ「MyJCBアプリ(※)」の開発を担当している。さまざまな課題解決に向けた改修や、顧客体験の向上に向けた機能の追加、さらには全面リニューアルなど複数のプロジェクトに取り組んできた。
基幹システム開発部でのプロジェクト推進と大きく異なったのは、「ウォーターフォール開発」から「アジャイル開発」へと手法が変わったことだ。何をつくるか、まずは全体像を設計して開発するウォーターフォール開発とは反対に、アジャイル開発は機能・サービスを検討するビジネス部門と一体となって、機能単位で小さく素早く開発を繰り返していく手法である。協力会社の開発メンバーとより密にコミュニケーションを取りながら、実際に動かしてみることでプロダクトを完成させていくこの手法は、自身の資質にも合っていたと語る。
開発の本質は基幹システムもスマホアプリも変わらないとはいえ、アプリは顧客接点があるため、よりユーザを意識してプロジェクトに取り組むようになった、と鈴木は語る。
(※)MyJCBアプリ:JCB カードのご利用明細やポイント残高の照会、その他クレジットカードにおけるさまざまな顧客体験を向上させるための機能を備えるアプリ。

システム本部での専門職として、
「お客様から選ばれる JCB」に貢献したい
鈴木は、入社14年目に、システム本部での専門職(Ex職)となることを決断した。理由のひとつは、MyJCBアプリの開発を通して、ユーザに直接使ってもらえるシステム(スマホアプリ)をつくる楽しさを感じたこと。良いサービスをつくれば良い反応が返ってくるし、「ここがわかりにくい」という声があれば改善していくことでアプリを成長させることができる。この経験はまさに、鈴木がやりたいことにマッチしていた。また、未来の予測が難しい環境において対応できるシステム人材が、今後より重要になると感じたことも、専門職を選んだ理由のひとつである。
鈴木は「自分自身、成長余地がまだまだあると感じますし、これから”もっとすごいこと”をやりたいと思っています」と語る。そのうえで、システムを極めるというビジョンが明確になった時、専門職になるという選択は必然となったようだ。最終的な目標は、「JCB のシステムってイケてるよね」と言われるようになること。鈴木の挑戦はまだまだ終わらない。