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JCBの海外戦略

1981年、日本発唯一の国際ペイメントブランドとして、本格的な海外展開をスタートさせたJCB。
以来、世界中の大手金融機関やローカル決済ネットワーク、さらには他の国際カードブランドと提携し、
さまざまな決済シーンで利用できる加盟店ネットワークの構築・拡大を図ってきた。
2010年半ば以降、海外カード会員も大幅に増加。現在、海外カード会員数は約3,600万会員(2025年3月末時点)に到達。
決済のデジタル化、モバイル化が急速に進展し、カードの利用シーンも多様化するなかで、
今、JCBはどのような海外戦略を描いているのか、海外を舞台にJCB社員はどのような役割を担っているのか、
海外事業を統括する陽川国際本部長に話を聞いた。

陽川 勝樹

陽川 勝樹Masaki Yokawa

執行役員 国際本部長

所属部署・役職は取材当時のものです。

日本発のブランドを武器として、
アジアから世界へ。

JCBのこれまでの海外展開の歩みについて教えてください。

JCBは、1981年、日本発唯一の国際ペイメントブランドとして本格的な海外展開をスタートさせました。当時は、国内カード会員が海外に渡航する際に、ホテルやショッピング等でJCBカードを利用できる環境を整えることが主なミッションでした。次なるステージとして、海外加盟店ネットワークの構築・拡大を担うパートナー(金融機関や決済ネットワーク)のニーズに応えるべく、市場成長が見込まれる東アジア、ASEAN地域を中心に、海外の金融機関と提携して現地でのカード発行を広げていきました。そして会員基盤の拡大に伴い、JCBブランド全体の価値向上にも取り組んできました。たとえば、加盟店の獲得・維持を担うパートナーに対して、日本のみならず、アジア全体からの送客を実現できる協業モデルを構築しました。

陽川 勝樹
海外カード会員数 2025年3月末時点
海外カード会員数の図

では、現在、JCBが描いている海外戦略とは?

直近の最重点課題は、日本を上回る成長率を誇るアジア地域においてJCBブランドの地位を確固たるものにしていくことです。その課題解決のための戦略の鍵のひとつとなるのは、“日本発”の魅力をいかに具現化するかです。アジア諸国の多くは、親日的であり、コロナ以前から訪日インバウンドも増加傾向にありました。そうしたお客様に対して、利便性を含めた日本ならではの価値を提供することで、徹底して他ブランドとの差別化を図っています。具体的には、加盟店優待や旅行体験など、日本コンテンツを活かして、訪日旅行者向けのさまざまなサービスを展開し、それによりJCBカードの利用促進を実現しています。一方で、来日せずとも、アジアのそれぞれの国・地域のなかで日本コンテンツを楽しみたいというファン層も増加しています。こうしたお客様に対しては、各国にある日本食レストランなどの日本関連コンテンツを、JCBならではのサービスと紐づけて提供しています。「JCBといえば日本」と想起されるブランドを目指し、今後も取り組みを強化していきます。
また、欧米をはじめとした当社会員の渡航が多い国・地域においては、世界中のJCBカード会員がビジネスや観光目的で渡航する際の利便性をさらに向上させていくことも非常に重要なミッションです。加盟店網整備とサービス開発の推進により、渡航先でストレスなくJCBカードを利用できる環境を追及しています。

世界市場の変化をとらえ
時代に即した付加価値を提供。

JCBの海外発行展開における強みは何でしょうか?

最大の強みは、JCBが日本最大級のアクワイアラであること、もしくは、日本最大級の加盟店ネットワークを保有していることです。そのため、日本国内の加盟店との密度の高いリレーションシップを通じて、訪日する世界中のJCBカード会員の皆様に喜ばれる価値を開発し、それをお客様に提供できるだけでなく、パートナー同士を結びつけて、新たなビジネス機会を生み出すことができる。それが他社にはない強みです。

陽川 勝樹

そうした強みのもと、海外戦略達成に向けて今注力しているテーマは何ですか?

注力テーマの1つ目は、旅行形態の変化です。かつての団体旅行から個人旅行へとシフトが進み、アジアのお客様の渡航先も多様化しています。実は現在、アジア地域で最も人気の高い旅行先は韓国です。日本人が最も渡航する国・地域であり、日本以外のアジア各地域からの渡航者も増加傾向にあります。こうした背景を踏まえ、現地の人気加盟店とも協業して優待・サービスを開発し、JCBカード会員への価値提供を強化しています。また、旅行情報の入手先もかつてのガイドブックからWEBサイト、アプリ、SNSへ。このようにお客様の嗜好が多様化し、予約の仕方も変わるなかで、必然的にカードの利用シーンも大きく変わってきます。JCBはこうしたさまざまな変化に常に対応していきます。2つ目は、決済インタ―フェースの多様化です。モバイル決済が当たり前になっている今、カードを端末にスライド・挿入する従来の決済方式からタッチ決済やモバイルオーダー、テーブル決済などへの移行が進んでいます。そんななか、JCBではお客様の利便性向上に向けて、グローバルに相互互換を確保した決済技術を常にサポートし、そういった新たな決済シーンでの安全性や利便性を拡大しています。3つ目は、オンライン決済の拡大です。旅行予約から現地でのレストラン予約、アクティビティ、日帰りツアーまで、すべてオンラインで完結させるお客様が増加しています。こうした動きに対応し、オンライン決済・加盟店および海外加盟店ネットワーク・決済インフラの強化など、JCBカードの利用機会を広げる取り組みを進めています。

陽川 勝樹

交渉の最前線に立ち、世界を切り拓く
それがJCBビジネスの醍醐味。

海外では具体的にどのようにビジネスを進めているのですか?

JCBの海外ビジネスの進め方には、「ライセンスモデル」と「アライアンスモデル」の大きく2つの形があります。海外展開開始当時からある「ライセンスモデル」では、海外の金融機関等とライセンス契約を締結し、JCBカードの発行、加盟店の拡充を図ります。加えて近年強化しているのが「アライアンスモデル」で、これは各国で金融機関や決済サービスを束ねているネットワーク事業者や国内決済スキームとの提携により、JCB会員および加盟店を戦略的、かつ効率的に拡大します。海外駐在員や海外拠点の現地スタッフ、あるいは国際本部の営業部隊が一丸となって、現地の金融機関や決済ネットワーク保有者、あるいは誰もが知る名だたる企業などと直接交渉します。

JCB社員のミッションは、国内で培ってきたカード発行や加盟店ビジネスの経験とノウハウを活かし、商品企画や戦略提案を通じてビジネスを生み出し、JCBの事業を拡大していくこと。それは、「日本発の魅力を活かして、世界へ事業を拡大していく」という醍醐味を実感できる仕事です。また、日本インバウンド需要の高まりも追い風としたJCBの海外展開は、その成長のスピードが速く、成果が見えやすいのも大きなやりがいです。

そのような海外展開を進めるにあたって、どのような人材を求めていますか?

海外経験や英語力が必須と思われがちですが、必ずしもそうではありません。実際にまったく海外経験がなくとも現地に赴任して活躍している社員は多くいます。海外では、文化・価値観も違えば、さらにはビジネスの進め方も日本とは大きく違います。そのため、それぞれの国・地域での環境に柔軟に適応する力こそが、活躍のために不可欠な要素です。つまり、いかに柔軟に異なる文化・価値観、ビジネスの進め方を受け入れ、それを取り込むことができるかが重要であり、現地では自身が成長しながら事業に貢献していく姿勢が求められます。また、海外のJCB社員は、赴任先ではその国・地域でのJCBの代表として広い裁量を持ち、新しく事業を拓く意欲と責任感が求められます。JCBの海外展開にはまだまだ多くの成長余地があります。さらに、事業環境も刻々と変化しており、それらへの対応も継続していきます。まさに、目の前には広大なフロンティアが広がっているのです。
一方で、海外のビジネスは成果が出るまでに時間がかかることも多いのが現実です。たとえば、現地の企業とパートナーシップを築くには、まずその企業との接点作りからはじまり、関係性を深め、度重なる交渉を経てようやく契約締結に至ります。契約から提携開始まで数年を要する場合もあります。こうしたなかで最も大切なのは、デジタル時代であっても、「人と人との関係」です。JCBが世界で築くネットワークは、人と人との信頼関係によって成り立っています。だからこそ、人間的なつながりを大切にできる方にとって、挑戦しがいのあるフィールドだといえるでしょう。
フロンティアスピリットを胸に、人と人の輪を結び、困難を乗り越え、世界へJCBのビジネスを広げていく。
JCBの世界戦略の最前線には、そんな胸踊る仕事が待っています。

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